円卓会議1 続・百年の大逆−TAGTAS/PROJECT 2011 虐殺と演劇 オ

座・高円寺 冬の劇場23

円卓会議1
続・百年の大逆−TAGTAS/PROJECT 2011 虐殺と演劇 オープニングシンポジウム−
1月14日(金)19:00〜21:30  〈料金〉1000円(予約不要)

〈会場〉座・高円寺1

「百年の大逆」とは、昨年度のTAGTASの上演名である。この上演名に込められたものは、再び大逆を行うということではなく、再び大逆事件という公権力の虐殺行為が行われる、行われたということである。小説家永井荷風『花火』で引き合いに出された戯作者とは、安政の大獄後に名を捨て、散人・山人となった者のことであるが、明治知識人が公権力を前に自主規制した姿を荷風は戯作者へと重ねるのである。憲法により上位の権利として掲げられる「表現の自由」を知りながらも、表現者は意識的/無意識的自主規制へと向かうのは何故だろうか。TAGTAS/PROJECT2011で行われる上演、円卓会議の射程がここで示される。

〈報告者〉大橋 宏(演出家 Asia meets Asia) 佐々木治己(劇作家・演出家) 清水信臣(演出家 劇団解体社
 豊島重之(演出家 モレキュラーシアター) 山田 零(俳優・演出家 錦鯉タッタ) /佐藤 信(劇作家・演出家)

〈出席者〉梅原宏司(文化政策) 鴻 英良(演劇批評家) 河野真太郎(批評理論) 高橋宏幸(演劇批評家) 他

〈司会〉内野 儀(演劇批評家)

提携 座・高円寺 NPO法人 劇場創造ネットワーク 後援 杉並区

座・高円寺 http://za-koenji.jp/

TAGTAS/PROJECT2011 演劇と虐殺[1/14-16 座・高円寺]

座・高円寺 冬の劇場23



TAGTAS/PROJECT2011 演劇と虐殺

TAGTAS/PROJECT 2011通し券 8000円
〈予約・問い合わせ〉tagtasproject2011@gmail.com


TAGTAS/FORUM 円卓会議
TAGTASでは昨年からFORUMと円卓会議を開催してきた。学ぶこと、そして学び捨てることを行う場として劇場、演劇を示し、問題提起を関わる人々の中心に置き、各人が等距離の中で発言し、行動することを円卓会議の理想とした。FORUM、円卓会議では領域横断的に議論がなされることを重視し、実演家だけでなく、他ジャンルからの参加も常に呼びかけている。今回は、国家、社会、共同体を巡り議論が展開されるだろう。

座・高円寺 冬の劇場23
円卓会議?
続・百年の大逆−TAGTAS/PROJECT 2011 虐殺と演劇 オープニングシンポジウム−
1月14日(金)19:00〜21:30  〈料金〉1000円(予約不要)
〈会場〉座・高円寺1

「百年の大逆」とは、昨年度のTAGTASの上演名である。この上演名に込められたものは、再び大逆を行うということではなく、再び大逆事件という公権力の虐殺行為が行われる、行われたということである。小説家永井荷風『花火』で引き合いに出された戯作者とは、安政の大獄後に名を捨て、散人・山人となった者のことであるが、明治知識人が公権力を前に自主規制した姿を荷風は戯作者へと重ねるのである。憲法により上位の権利として掲げられる「表現の自由」を知りながらも、表現者は意識的/無意識的自主規制へと向かうのは何故だろうか。TAGTAS/PROJECT2011で行われる上演、円卓会議の射程がここで示される。
〈報告者〉大橋 宏(演出家 Asia meets Asia) 佐々木治己(劇作家・演出家) 
清水信臣(演出家 劇団解体社) 豊島重之(演出家 モレキュラーシアター) 
山田 零(俳優・演出家 錦鯉タッタ) /佐藤 信(劇作家・演出家)
〈出席者〉梅原宏司(文化政策) 鴻 英良(演劇批評家) 河野真太郎(批評理論) 
高橋宏幸(演劇批評家) 他
〈司会〉内野 儀(演劇批評家)

提携 座・高円寺 NPO法人 劇場創造ネットワーク 後援 杉並区
座・高円寺 http://za-koenji.jp/

座・高円寺 冬の劇場23
円卓会議?
国家と演劇1
1月16日(日)18:30〜21:30  〈料金〉1000円(予約不要)
〈会場〉座・高円寺1

劇場法や文化省設立に向けての運動が演劇界だけでなく、芸術に関わる者たちにとって話題になることが増えてきた。しかし、文化政策に対する現場的な意見や、構造的な問題提起はされてきているが、理念的な議論が避けられているように思われる。芸術と公共を等号で結びつけ、西洋モデルの文化政策の理念をそのまま主張するには、公共性について芸術家たちが理念を持ち、行為せねばならないだろう。そして、芸術の可能性とは国家装置の一部としてではなく、それ以外のあり方も思考されるのではないだろうか。
一部[ 日本国の文化政策と公共圏] 〈報告者〉梅原宏司(文化政策) 佐々木治己(劇作家・演出家)
二部[ アンティゴネーの視座] 〈報告者〉鴻 英良(演劇批評家) 鈴木英明(批評理論) 
〈出席者〉大貫隆史(批評理論) 高橋宏幸(演劇批評家) 米屋尚子(芸団協・文化政策) 他
〈司会〉内野 儀(演劇批評家)

提携 座・高円寺 NPO法人 劇場創造ネットワーク 後援 杉並区
座・高円寺 http://za-koenji.jp/

座・高円寺 冬の劇場23
豊島重之+モレキュラーシアター《のりしろ nori-shiro》演劇公演

これでおしまいだ と一人の男がいった
いやおしまいではない と別の一人がいった
おしまいなんておれたちにはないんだ おれたちは
この土のなかに敗北を埋めただけだ―― (黒田喜夫

1月15日(土)18:00開演/16日(日)15:00開演 (受付開始30分前・開場15分前)
〈会場〉座・高円寺 1
〈料金〉2000円(全席自由)
座・高円寺の劇場回数券「なみちけ」及びTAGTAS/PROJECT 2011通し券もご利用いただけます。
〈予約〉 molecular theatre WEB または FAX 0178-45-9247 
〈チケット取扱い〉 座・高円寺チケットボックス(月曜定休) TEL 03-3223-7300(10:00〜18:00) 窓口(10:00〜19:00) 座・高円寺WEBチケット (WEB) http://za-koenji.jp/


〈演出・構成・美術〉豊島重之
〈テクスト〉黒田喜夫「地中の武器」「自然と行為」ほか(思潮社刊)
〈出 演〉大久保一恵・田島千征・秋山容子・四戸由香・高沢利栄・中野渡萌・高橋陽子・平船果凛・鷹田章伍
〈ヴォイス〉及川廣信 ほか
〈スタッフ〉宮内昌慶・根本忍・佐藤英和・根本みを・佐々木邦吉・萩原雄太

ポストトーク 「ハエのための演劇 ―『飢餓の木2010』刊行記念」
1月15日 19:20〜
〈講師〉吉増剛造(詩人)・鵜飼哲(仏文学・思想)・前嵩西一馬(文化人類学)・豊島重之(演出家)
*ポストトーク入場には公演チケットの半券、またはTAGTAS/PROJECT 2011通し券が必要です。
(ポストトークのみ聴講の方は、入場料 1000円)

主催 molecular theatre 問合せ:090-2998-0224
(WEB) http://sites.google.com/site/moleculartheatre/
ICANOF(WEB) http://www.hi-net.ne.jp/icanof/
提携 座・高円寺 NPO法人劇場創造ネットワーク
後援 杉並区
座・高円寺 http://za-koenji.jp/

TAGTAS/PROJECT2011 演劇と虐殺[1/29-2/11 森下スタジオ]

TAGTAS/PROJECT2011 演劇と虐殺

TAGTAS/PROJECT 2011通し券 8000円

〈予約・問い合わせ〉tagtasproject2011@gmail.com

TAGTAS/FORUM 円卓会議

TAGTASでは昨年からFORUMと円卓会議を開催してきた。学ぶこと、そして学び捨てることを行う場として劇場、演劇を示し、問題提起を関わる人々の中心に置き、各人が等距離の中で発言し、行動することを円卓会議の理想とした。FORUM、円卓会議では領域横断的に議論がなされることを重視し、実演家だけでなく、他ジャンルからの参加も常に呼びかけている。今回は、国家、社会、共同体を巡り議論が展開されるだろう。

円卓会議3
プラトン『メネクセノス』から考える  ※パフォーマンス有り
1月29日(土)15:00〜17:30 〈料金〉1000円(予約不要)
〈会場〉森下スタジオA
古代ギリシア都市国家アテナイは、君主政治に対立する国家形態として民主政治を確立していった。そして、アテナイの民主政治は絶えざる戦争や、分立抗争の中で崩壊していった。戦没者追悼演説である『メネクセノス』は、人種、領土、国制を軸に都市国家の優越性と戦争における正当性を主張し、戦没者と遺族へ向かい保障を約束する。演説という直接的に聴衆の感情、理性にはたらきかけるテキストを前に、我々は時代を超え、現在にまで根付いている強固な論理を見つけるだろう。そのとき私たちは何を考えるのか。
〈報告者〉佐々木治己(劇作家・演出家)
〈出席者〉ジェイムズ・タイソン(芸術監督Chapter Arts Centre, Wales, UK) 他

円卓会議4
ブレヒト『処置』から考える」 ※パフォーマンス有り
1月30日(日)15:00〜17:30 〈料金〉1000円(予約不要)
〈会場〉森下スタジオA
〈報告者〉山田 零(俳優・演出家 錦鯉タッタ)
〈実演者〉岩崎健太(俳優) 藤島かずみ(俳優) 山田 零

円卓会議5
「国家と演劇2」 
2月2日(水)19:00〜21:30 〈料金〉1000円(予約不要)
〈会場〉森下スタジオB
〈報告者〉ジェイムズ・タイソン『 Argument #1「 + other notes」』に続けて―
〈出席者〉梅原宏司(文化政策) 大貫隆史(批評理論) 小島延夫(弁護士) 
佐々木治己(劇作家・演出家) 高橋宏幸(演劇批評家) 福嶋亮大(文芸評論家) 他  
〈司会〉鴻 英良(演劇批評家)
※レクチャーの中で上映される映像作品『A Circle』(Jennie Savage, James Tyson 作)視聴のためイヤホンが必要となりますのでご持参ください。

主催 TAGTAS
支援 文化庁 平成22年度文化庁芸術団体人材育成支援事業
助成 公益財団法人セゾン文化財
森下スタジオ http://www.saison.or.jp/studio/index.html


国際共同制作公演/ International Collaboration Project  
Dream Regime ―「夢」の体制―  第一部 信仰 - 体  第二部 「病者」の時代
『Dream Regime』は、今日のグローバリゼーション―「夢」の体制下に置かれた人間身体の諸様態の提示とその批判の方途を、諸外国のパフォーマー、アーティストおよび研究者たちとの討論やワークショップ、上演等の共同作業を通して問い直し更新しようとする試みであり、今公演で8回を数える。特に今回は「反省的思考と一神教」(第一部〈信仰-体〉)、「環境管理権力と動物化」(第二部〈「病者」の時代〉)が上演を貫く主題となる。

第一部 信仰 - 体 2月8日(火)19:00開演  9日(水)20:30開演
第二部 「病者」の時代  10日(木)19:00開演  11日(金)16:30開演
 (各日とも開場は15分前) ※11日ポストトークあり
〈会場〉森下スタジオ
〈料金〉 前売り 3500円/当日 4000円
(このチケットで『Dream Regime』の 第一部と二部、および『狂人日記』がご観劇いただけます。)
〈出演/Performers〉
■Chapter Arts Centre [ウェールズ, UK]  James Tyson、Rebecca Woodford-Smith、Matt Beere
■Companhia Vatá [ブラジル] Valéria Pinheiro 、Luciana Costa de Vasconcelos、Jão Paulo Lima、
Julia Sarmento
■ Ehrliche Arbeit [ドイツ] Elena Polzer
■ [韓国] Mikyoung Jun Pearce
■Amareya Art Association [ポーランド] Katarzyna Pastuszak、Agnieszka Kamińska、Aleksandra Sliwińska
■MONAR [Poland] Klaudia Korniak、Maciej Sznajder.
劇団解体社 熊本賢治郎、日野昼子、中嶋みゆき、青田玲子、Jonathan Giles Garner、石井康二、本間良治、筒井美和
〈GUEST〉杉浦千鶴子(ラドママプロデュース)
〈構成・演出〉清水信臣 〈舞台監督〉三津久 〈照明〉 河合直樹 (有)アンビル 〈振付〉日野昼子
〈音楽・音響〉 落合敏行 〈テクスト協力〉佐々木治己 〈通訳〉斉藤耕史郎 〈映像〉 藤野禎崇
〈宣伝美術〉Studio Terry "overground" 〈制作〉鈴木欣兵衛
主催 劇団解体社
国際共同制作
Chapter Arts Centre [Wales, UK]、Companhia Vatá [Brazil]、Ehrliche Arbeit [Germany]、Amareya Art Association [Poland]、MONAR [Poland]、Klub ŻAK [Poland]
助成 文化庁(ロゴ)平成22年度文化庁国際芸術交流支援事業
ウェールズアーツカウンシルArts Council of Wales / Wales Arts International
〈問合せ・チケット取り扱い/Booking〉
劇団解体社 Phone/Fax: 03-5802-5387
email: gekidan@kaitaisha.com (件名に「Dream Regime 観劇予約」とご記入ください)
www.kaitaisha.com
森下スタジオ http://www.saison.or.jp/studio/index.html


2011・魯迅狂人日記
2011・Lu Xun "A Madman's Diary"
アジアミーツアジア・コラボレーション・プロジェクト 
Asia meets Asia Collaboration Project
東アジア4都市共同創作公演ー上海―香港ー台北ー東京
East Asia 4 Cities Collaboration Performance ―Shanghai―Hong Kong―Taipei―Tokyo

2月 8日(火)20:30   9日(水)19:00
10日(木)20:30   11日(金)15:00 (開場15分前) ※11日ポストトークあり
前売り 3500円 当日4000円(このチケットで『Dream Regime』の 第一部と二部、および『狂人日記』がご観劇いただけます。)

共同構成・演出Co-Composed&Directed by
赵川Zhao Chuan  上海Shanghai
湯時康Tong Sze Hong 香港 HongKong
王墨林Wang Mo-ling  台北 Taipei
(総合演出)大橋宏 Hiroshi Ohashi 東京 Tokyo

出演者Performers  
吴梦Wu Meng 上海Shanghai
李志文Lee Chi Man 香港 HongKong
朱秀文Chu Sau Man, Virginia 香港 HongKong
鄭志忠 Cheng Chih Chung 台北 Taipei
Watan Wuma 台北 Taipei

原田拓巳Takumi Harada 東京 Tokyo
遠藤徳恵 Norie Endo 東京 Tokyo
中島彰宏 東京 Tokyo


共同企画Co-Project
草台班Grass Stage[上海Shanghai]/撞劇團Clash[香港HongKong] /
身軆気象館Body Phase Studio[台北Tiapei] /DA・M[東京Tokyo]
助成 文化庁(ロゴ)平成22年度文化庁国際芸術交流支援事業
Supported by the Agency for Cultural Affairs Government of Japan in the fiscal 2010
主催 劇団DA・M
Producede by Theater DA.M
〈問合せ先〉 03-3360-6463 Asia meets Asia
森下スタジオ http://www.saison.or.jp/studio/index.html

TAGTAS/FORUM−条件なき大学− 第三期開講のお知らせ

TAGTAS(トランス-アヴァンギャルド・シアター・アソシエーション)が、年間を通じて公開の連続研究会を開催します。
「TAGTAS FORUM −条件なき大学−」は、演出家、振付家舞踊家、俳優、舞台制作者など舞台上演に関わるものや、人文研究者などが集まって、たがいの領域を横断しながら、共同で討議していく公共の場所を目指します。
舞台に関わるすべての方々をはじめ、学生、社会人、反/非社会人、など、幅広い方の参加をお待ちしております。年間で第?期、第?期、第?期の全三期を予定しています。


TAGTASフォーラム 第?期 プログラム

12/14  (Tue.)  [日本による韓国の強制併合100年]
       ◆亀田 博 (東アジアアナキズム運動史研究) /レクチャー


12/19   (Sun.)  [パフォーマティヴの現在 2]
              ◆内野 儀(演劇批評家) 清水信臣(演出家 劇団解体社)
                  司会/鴻 英良(演劇批評家)/対談・レクチャー

12/21   (Tue.)  [アングラの亡霊第二章 包摂される市民主体への抵抗]
              ◆佐伯隆幸(演劇批評家・フランス演劇)/レクチャー


12/22  (Wed.)   [演劇と社会 これからの運動のヴィジョン]
              ◆菅 孝行(演劇批評家) 高橋宏幸(演劇批評家)/対談・レクチャー

12/27  (Mon.)  [ベーシックインカムを考える ─マネーは何のためにあるのか─]
             ◆関 曠野(思想史家)/レクチャー


12/28    (Tue.)  [『メネクセノス』から考える]
               ◆佐々木治己(劇作家・演出家)/リーディング


1/9 (Sun.)    [『アンティゴネー』 ─〈女〉の享楽と倫理─]
      ◆鈴木英明(イギリス文学・批評理論) 鴻 英良/対談・レクチャー

1/10   (Mon.)  [『処置』から考える]
             ◆山田零(演出家 錦鯉タッタ)/リーディング


1/18    (Tue.)    [A woman is a woman is a woman is a woman]
              ◆羊屋白玉(劇作家・演出家 指輪ホテル)/リーディング


1/19   (Wed.)  [劇場法から何を考えるか]
    ◆円卓会議/TAGTAS 他  

■全日程: 19:00開講(開場30分前)

■受講料 : 各回1,000円

■お問合せ : forumtagtas@gmail.com
              Phone/090-4413-1227

■場所:Space カンバス            東京都文京区湯島2-4-8五十嵐マンションB1

*急な日程の変更等、不測の事態も考えられますので、お越しの際は必ず事前にTAGTAS公式サイトをご参照ください。http://d.hatena.ne.jp/tagtas/で随時詳細な情報を掲載、更新しております。
なお、ご予約は不要です。また、内容については事前に事務局が把握するわけではございませんので、あらかじめご了承ください。

「TAGTAS/FORUM−条件なき大学−」とは、舞台芸術を巡る諸問題を、 通時的かつ共時的に分析し、領域を横断しながら共同で討議していく場所であり、シアター(舞台・劇場)がその原形にあっては公衆の共同の思考と討議の場であったように機能していくことを企画します。

TAGTAS/PROJECT2011 ー虐殺と演劇ー

TAGTAS/PROJECT2011 ー虐殺と演劇ー

*予約・問合  tagtasproject2011@gmail.com  
*詳細情報  http://d.hatena.ne.jp/tagtas/


@座・高円寺 冬の劇場23

座・高円寺チケットボックス(月曜定休) 03-3223-7300(10:00〜18:00)

■1/14日(金)円卓会議1[続・百年の大逆]19:00〜21:30座・高円寺1/料金1000円
〈報告者〉TAGTAS(大橋 宏・佐々木治己・清水信臣・豊島重之・山田 零)/佐藤 信
〈出席者〉  梅原宏司・鴻 英良・河野真太郎・高橋宏幸 他
〈司会〉内野 儀

■1/15日(土) 18:00開演・16日(日)15:00開演   演劇公演1 /料金2000円(全席自由)
豊島重之+モレキュラーシアター《のりしろnori-shiro》 座・高円寺1

15日(土)19:20 ポストトーク「ハエのための演劇 『飢餓の木2010』刊行記念」
 〈講師〉吉増剛造・鵜飼 哲・前嵩西一馬・豊島重之

■1/16日(日)円卓会議2[国家と演劇1]18:30〜21:30座・高円寺1/料金1000円

一部「日本国の文化政策と公共圏」
 〈報告者〉梅原宏司
二部「アンティゴネーの視座」
〈報告者〉鴻 英良・鈴木英明
 〈出席者〉大貫隆史・高橋宏幸  他/〈司会〉 内野 儀

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@森下スタジオ 

■1/29日(土)円卓会議3[プラトン『メネクセノス』から考える]〈報告者〉佐々木治己
〈出席者〉JamesTyson他/15:00〜17:30森下スタジオA   料金1000円

■1/30日(日)円卓会議4[ブレヒト『処置』から考える](パフォーマンス有り)
〈報告者〉山田 零/15:00〜17:30 森下スタジオA   料金1000円

■2/2日(水)  円卓会議5[国家と演劇2]〈報告者〉JamesTyson  〈司会〉  鴻 英良
〈出席者〉梅原宏司・大貫隆史・河野真太郎・小島延夫・高橋宏幸・福島亮大 他
19:00〜21:30/森下スタジオB  料金1000円

演劇公演2  国際共同制作公演/森下スタジオC 料金3500円(全公演共通チケット)

■2/8日  (火)
19:00開演  解体社[Dream Regime ─「夢」の体制]〈第一部 信仰体〉
20:30開演   Asia meets Asia 「狂人日記

■2/9日  (水)
19:00開演     Asia meets Asia [狂人日記
20:30開演   解体社[Dream Regime ─「夢」の体制]〈第一部 信仰体〉

■2/10日(木) 
19:00開演   解体社[Dream Regime ─「夢」の体制]〈第二部 病者の時代〉
20:30開演   Asia meets Asia [狂人日記

 ■ 2/11日(金)
15:00 開演     Asia meets Asia [狂人日記
16:30開演   解体社[Dream Regime ─「夢」の体制]〈第二部 病者の時代〉

 ※終演後ポストトーク有り

劇場法に関する問題提起声明

現在、構想されている劇場法案に対して、TAGTASは以下のように問題提起の声明を行う。


1.

劇場法は、従来の文化行政がいわゆる天下り先の機関となっていた事例や、また舞台芸術および諸芸術の発信発表機関として公共劇場が十分に機能してこなかったことを問題化し、社会的共通資本としての公共劇場を整備することを企図したものとして構想されているという。平田オリザ氏および芸団協が提言を公表しているが、それによれば、しかるべき芸術家が、全国の各公共劇場の芸術監督(劇場監督)として配置され、舞台芸術と社会のより緊密な相補関係が目指されている。この芸術監督は30人ほどの審査委員によって、選抜され、配置されるという。
 従来の文化行政には、例えば、助成金制度における審査過程の未公開の問題などの不備がある。審査員が誰であるかは公表されているが、どのような審査によって助成が決定されたのか、その議事録などは公開されていない。これは国民の知る権利に反することである。


2.

劇場法はこのような不備を改善し、透明性や合理化を刷新していくという。むろん、その方向性に疑義はないが、しかし法制化にあたっては十分に公正な手続きをとるべきである。また法案作成者は、問題提起をするものに対して逐一明示的に説明する責任がある。
 そもそも、構想(提言)だけでなく、実際の草案を提示したうえで、その草案の文面をたとえば市民らと協働で執筆していくことが求められてしかるべきである。法制化する以前に広く、そして劇場関係者以外の者へ向けても広く周知させ、議論の場を持つべきである。統括団体による代表によって議論されるのではなく、草案の公表から法制化にいたる十分な期間を設けるべきである。


3.

平田氏はすでに新聞や公開シンポジウムなどで説明をされている。しかしながら、この劇場法に関する議論が十分に国民に認知されているとはいいがたい。すなわち、劇場法問題について十分に周知されていない。
 この問題は劇場法だけに固有の問題ではなく、むしろ政治/国家政策の意思決定と国民との合意形成という普遍的な政治問題ではある。しかし、劇場法問題だけが説明責任を持っているのではないとしても、同様に、民主主義の原則からすれば、すべての国民の意見が聞かれるべきであるし、その問題について国民は自身の考えを自由に述べる権利がある。


4.

現時点での劇場法構想に関して、以下の問題を提起する。

ア)各公共劇場に配属される芸術監督選抜の審査委員は誰が決定するのか。
イ)そもそも芸術を一様に判断することができるのか。

ア)について。もしその審査委員を現内閣府参与である平田氏、または芸団協によって選出されるのであれば、それは公正であるべき審査をあらかじめ横領=占有していることになる。
 提言では「職能団体による代表、専門家、識者による審査」とあるが、審査員をどのように選んだのかということを明示し、また審査過程も公開されるべきである。
 われわれは代替案として一般公募にすべきことを提言する。これは自薦他薦を問わない自由な形式で行われるべきで、芸術監督のみならず審査委員の選定もまた一般公募されるべきである。いずれにせよ審査の過程は公開制にすべきである。

イ)について。芸術の評価基準とは、文化行政の根幹に関わる問題であるが、やはりその基準そのものも、透明に公開されるべきであるし、明示されるべきである。
 評価基準というとき、例えば、十分な芸術的達成、十分な動員数、国内外での批評文や受賞歴などが考えられる。ほかにもキャリア、学歴(学習歴)、資格などがあるだろう。
 しかしながら、これらの基準を十分に満たしたものが、果たして国家による助成を必要としているかという問題がある。たとえば、劇団四季はこれらを十分に満たしているが、助成は必要だろうか。むろん、劇団四季は独立採算でやっており、そもそも助成金申請を行っていないのかもしれない。ここで指摘したいことは、興行として成功している芸術に、そもそも助成が必要なのか、という問題がある。
 ついで、それならば、興行的に困難な芸術にこそ助成すべきだ、ということになろうか。しかしそれはたとえば、新規の芸術活動は当然、十分に評価を受けたこともないし、動員も難しく、興行は困難であるかもしれない。その場合、即座に助成すべきだろうか?
 これは「若手芸術家助成」というフレームについての疑義であるが、どこでそれを評価する線を引くのだろうか。著名な批評家による批評文が作られることだろうか。であるとすれば、その批評家が十分に公正な判断をしているといかにしていえるのだろうか?
 先に挙げた基準のうち、受賞歴はある意味で判明ではある。しかし、受賞歴のあるものだけが助成の対象になるのだろうか。

このような根本的な問題を従来の文化行政は、場当たり的に判断してきた。それゆえ、助成審査の結果についても、なぜあの劇団は落選し、なぜこの劇団が通ったのか、不明である場合が多かった。劇場法ではこのような問題を改善し、透明化を図ると自己主張するが、それははたしていかに可能なのだろうか。「それはまず実験してから、つまり法を施行してから」と仮にいうのでれば、それは説明責任を十分に果たしていない。問題がある以上、十分な議論を尽くし、納得のいく評価体制、また創造環境を更新していくべきである。


5.

われわれとしては、芸術のような非常に曖昧で複雑な領域におけるこのような諸問題を克服することは、可能だとしても、相当程度の十分な時間をとり、出来る限り多くの国民/市民間での合意を形成するという手続きをとらない場合は、断固として性急な法制化に反対する。


6.

また助成金制度それ自体を見直す必要がある。現行の助成金制度では赤字補填といった形で助成をしている。なぜ助成金を貰い続けている団体がなくならないのか。それは助成対象である項目と金額を支払い、その後で支払った個人、団体から寄付を得て赤字を埋めているからである。このような助成制度は見方を変えれば不正であると判断される可能性もあり、また、実際に不正を行っている団体もあるのかもしれない。
 憲法89条には「公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない」という公金の支出についての条文があるが、助成金を受ける公の支配に属していない芸術団体・事業は性質上これらから除外されると考えるのであれば、助成金は赤字補填助成ではなく、より適切な項目や金額を設け、支出先などが把握出来る制度、または芸術活動への文字通りの助成制度へと改正されるべきである。



7.

劇場法の問題と、芸術環境への助成制度は、重なるとはいえ、区分されるべきである。「公共劇場を芸術家に配分する」という公共劇場の改革の話が、芸術活動への助成金制度の話へといつのまにかスライドしている傾向が多々ある。これは問題の混同というべきものである。このような混同を仮に意図的に行っているとすれば、それは「劇場法は、あなたち芸術家のメリットになるのだから、合意してください」といういわば権謀術数的な「議論」をしていることとなり、これは十分な議論を行うという公正さに反するやりかたである。



8.

芸術事業への助成は、芸術家の雇用またはその賃金の保障制度でもあり、結果的に芸術文化を構成している者への助成制度である。国家による文化行政および芸術行政は、科学学術政策とともに、必須な行政領域である。しかし、今日の日本社会の状況を顧慮するに、より性急に求められるべき政策は、貧困・格差政策である。育児環境の整備もさることながら、なによりも格差政策、社会的なセーフティネットの構築の方が、政策のプライオリティを持つとわれわれは考える。
 芸術家のセーフティネットを作ることに芸術関係者は縛られてしまっているが、この点についてわれわれは、一見大胆であるが、よく考えれば、最も簡単で効率的な社会環境整備政策となる基礎所得保障(ベーシックインカム)制度の実験をこそ、優先すべきであると考える。

 たとえば舞台芸術を構成しているものには、かなりの程度で低所得層がいる。劇場法では彼らの雇用はまったく顧慮されない。劇場監督となった少数の公認芸術家およびその劇場で雇用された労働者のみが助成対象となり、そこからもれた者たちに対して公金が分配されることはない。

 むろん、この問題はこれまでの公共劇場政策においても存在した。しかしながら、芸術文化の基層をなすこのような非公認芸術家およびその活動を支援するものたちに対しては、これまでの助成金制度がむしろ「曖昧」であったがゆえに、民間の芸術活動への助成を通じて分配されるという側面があった。
 劇場法ではこのようなこれまでの「曖昧さ」を一元化し、また公認芸術家の地位向上に努めるという。しかしこれはあらたな格差の発現に他ならないし、公金がそのような一部の特権的な地位についたものに対してのみ使用されることがあるとすればこれは重大な不正である。

 基礎所得保障制度は、このようなエリート主義的な政策とは真逆の制度である。
 
 基礎所得保障は、国民の最低限の生活を一次的に保障するもので、具体的には分け隔てなく国民に月8万から10万円の基礎所得が保障されるものである。むろん、この制度の発足に応じて、従来の生活保護制度(保護対象者の認定にも問題があった)は廃止されるべきであるし、あるいは子育て支援制度も廃止となる。現行の生活保護制度は保護対象者の認定に相当の行政コストがかかっている。これに対して、基礎所得保障制度は、行政コストを相当程度軽減することができるし、一定程度の最低の生活を保障することで、国民に余暇時間を与えることにもなる。そしてこの新たに構成される余暇時間において、学術や芸術への活動に従事していくことができるのである。(財源は従来の制度を止揚することで得られるし、また労働倫理を疎外することもない。なぜならより所得を求めるものは労働するからである。)

 学術研究も、芸術創造も、むろん国家の必須事業である。しかし、一部の特権的な公認芸術家の雇用の確保よりも、国民の基礎的な生活環境を改善することこそが、学術振興、また芸術活動の振興と普及への長期的な支援となる。基礎所得保障制度の導入こそが今後の文化行政の基礎的な政策となる。


                     2010年7月7日  TAGTAS