TAGTAS結成プロジェクト『百年の<大逆>』開催のお知らせ
混乱と矛盾のなか、多数とはいえないまでも、多くの方にご来場いただき、二週間にわたって、多くの出会いが重なり合い、多くの言葉が交わされました。
関係者のみなさまには大変ご迷惑をかける結果になってしまい、大変申し訳なく思っておりますが、それら様々な問題も十分予想できるものでした。
「なんとかならなかったのか」という言葉が様々な文脈で発話された一方、「非常に感銘を受けた」という言葉も多く頂きました。
「フェスティバル主義」ではないものを、と試行錯誤しながら、上演形式あるいは「シアター」の機能をなんとか変えていきたいというTAGTASの野望は、当然見込まれたごとく、上演化に向けて折衝の極みに至りましたが、この経験は、今後の運動の基礎となるものです。
今後、TAGTASは次の一歩をどう踏み出すか。
TAGTASでは「TAGTAS/FORUM-条件なき大学」を含め、多くの企画が産まれています。それらについては随時掲載してまいります。
一歩一歩、TAGTASは動いていきます。
それでは、関与された多数の方々に、深く感謝を表明したいと思います。
みなさまのご期待になんとか応えるべく、努力していく所存でございます。
それでは、今後ともよろしくお願いします。
ありがとうございました。
TAGTAS一同(2009,7.14記)
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来る7月、二週にわたってTAGTAS結成プロジェクトを座・高円寺にて開催します。詳細は随時掲載します。
2008年、シアターという形式を共有しようとする諸個人が、互いの領域を横断しながら協働していく関係を持とうとする場としてTAGTAS(タグタス)は発足しました。過去と現在とが織りなす複数の歴史を、円卓会議、リーディングパフォーマンス、舞台上演、という多様なアプロ−チによって紐解きながら、私たちが生きている現在の問題を観客と共に考えていきます。
■TAGTAS結成プロジェクト
+上演『百年の<大逆>:1910-2010』(前・後篇二部作)
+リーディング・パフォーマンス『魔女傳説』
+円卓会議「『魔女傳説』とその時代」
+レクチャー「前衛の系譜」+マニフェスト・アクション(第二宣言)
+ドラマ・ワークショップ『明治の柩』・『冬の時代』
+円卓会議「<大逆>と日本近代演劇の起源」
+円卓会議「革命の身振りと言語 I 演劇の自由と倫理」
+円卓会議「革命の身振りと言語 II ビオス・ポリティコスの実践と方法」
+上映とレクチャー「映画『ルワンダ』:虐殺と演劇をめぐって」
■全プロジェクト構成・演出・出演・主催・製作|TAGTAS
■公演期間 2009年07月03日(金)〜07年12日(日)
■会場 座・高円寺:東京都杉並区高円寺北2-1-2 Tel.03-3223-7500
■提携 座・高円寺/NPO法人劇場創造ネットワーク
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■TAGTAS結成プロジェクト『百年の<大逆>』開催にあたって
20世紀を経て新たな時代に立ち会うとき、舞台芸術はどのような社会的役割を持つのでしょうか。未来の舞台芸術を多面的に展望するためには、前世紀そして「近代」の舞台芸術を、その発生の時点から批判的にとらえ直す必要があります。シアター(舞台・劇場)とは、市民が自律的によりよい生活と社会を夢みる場所であり、またその夢を共同で作っていくなかで、<共に>考え、議論していくような社会的共通資本のひとつです。演劇や舞踊と思想や研究とがまだ分化されていなかったころの「シアター」という場所をひとつのモデルとしながら、あらためて芸術の自由と倫理、そしてその潜在的可能性と限界(不可能性)を、円卓会議そして上演創作における共同作業のなかで、問うていきます。
今回、TAGTASが大逆事件(1910-11)をモチーフとして選んだのは、それを単なるテロリズムや政治の一局面として扱うためではありません。この事件以降、諸芸術は国家や社会と独特の関係をきりむすんでいき、それは現在へと連なります。
大逆事件を日本の舞台芸術史上の転回点として再考することで、私たちの<現在>も批判的かつ反省的に照らし出されていきます。プログラムは、上演『百年の<大逆>:1910-2010』(前・後篇二部作)をはじめ、劇作家・福田善之の幻の戯曲『魔女傳説』(1969)を今回あらたに改訂し現在に甦らすリーディング・パフォーマンスと作者を交えた円卓会議や、ほか二つの円卓会議、レクチャーとマニフェスト・アクション、朗読会などを予定しています。
TAGTAS founding project
One hundred years of High treason